2021年5月27日〜31日に東近江市永源寺町にある風野工房ギャラリーで、『野田浩二のしごと』出版記念の作品展示・ライブ・映画上映があった。ふとした縁で風野工房の事を知り、今回で2度目の訪問になるが、ライブ・映画上映のある5月30日に行ってきた。残念ながらお会いする事は無かった染色家の野田浩二さんの作品が沢山展示されていた。暖簾やその他の布達の色とデザインはとても素敵な物ばかりであった。
映画は監督:ロジェー・ワルッヒ、主演:三上寛の2018年の作品『独逸人』で、両氏は生前の野田浩二さんと交流があった。ロジェー・ワルッヒさんはスイス人監督で寺山修司の「田園に死す」に衝撃を受けたと言う映像作家で、三上寛さんは「田園に死す」にも出演している俳優でありフォークシンガーである。映画の上映後にロジェー・ワルッヒさんと三上寛さんの話が少しあった。映画でメインの二人は全編ドイツ語なのだが、三上寛さんはドイツ語を覚えて話す苦労や結局そのままでは使えずにスタジオでの録音となった事などのエピソードが聞けた。
私は若い頃に日本アート・シアター・ギルド(ATG)の映画をよく見ていたが、記憶に残る作品が多い気がする。「田園に死す」も当時見ていたが、難解な映画と言う印象だった。寺山修司監督・脚本の「田園に死す」と「書を捨てよ町へ出よう」は最近アマゾンプライムで再度見たし、若い頃見て記憶に残っていた寺山修司脚本の映画「サード」も最近再度見たが良かった。クロード・ガニオン監督の「Keiko」も強く印象に残っている。ドラマチックではない淡々とした日常の生活が描写されていて、これが現実で本当の姿だよと感動したのを覚えている。そして寺山修司の舞台は若い頃は見た事が無かったが、2008年に名古屋の千種文化小劇場で上演された「奴婢訓」を二女と一緒に見に行った。
映画の後に三上寛ライブがあった。三上寛さんは1950年生まれで、私とほぼ同世代なので名前は知っていたが、歌などはあまり聞いた記憶はなかった。曲は「夢は夜ひらく」、津軽民謡「弥三郎節」「十三の砂山」、「楢山節考」、「大感情」などで、自分が最近ギターを始めた事もあり演奏にも注目しながら楽しめた。