2020年 君ヶ畑 破風に水文字

1980年野外活動研究会刊「フィールドへ No6 君ヶ畑」には、茅葺き屋根の葺き替えの様子や茅葺き屋根の上にトタンを被せる骨組み工事の写真などが掲載されている。当時は入母屋茅葺きは15軒あったが、現在そのうち3軒は無くなり残りは全てトタンを被せてあり、茅葺きの屋根は無くなっている。
現在君ヶ畑には入母屋茅葺きの上にトタンを被せた家が28軒ある。トタンは亜鉛めっき鋼板のうち、主に建築資材として使われているものの俗称で亜鉛鉄板とも言われ、瓦型にプレスされたトタン板もある。金属屋根の種類は、主にトタン、ガルバリウム鋼板、ステンレス、銅、チタンなどがある。ガルバリウム鋼板とはアルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板の名称でアルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%の鋼板でGL鋼板とも呼ばれ1972年にアメリカ開発され、日本では1982年に初めて商品化された。
現在トタンは使用されることが少なくなり、耐用年数の長いガルバリウム鋼板が多い。年代から考えて君ヶ畑はトタンが多いと思われるが、トタンとガルバリウム鋼板は外観では見分けられない。

破風に「水」の文字』で説明しているが、君ヶ畑の茅葺きの上にトタンを被せた家の破風にも、火伏せのまじないである水文字や懸魚そして家紋が見られる。それらの組み合わせは色々で、多い順では次のようになっているが、水文字は鬼瓦部分にある場合も含めている。
【1】水文字・家紋・懸魚 7軒
【2】水文字・家紋 6軒
【3】水文字・懸魚 5軒
【3】水文字のみ 5軒
【5】家紋・懸魚 3軒
【6】家紋のみ 1軒
【6】懸魚のみ 1軒

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