2021年5月 君ヶ畑のお茶摘み

君ヶ畑の茶摘み

小椋谷の君ヶ畑は、かって茶の栽培が盛んであった。この一帯の茶は「宇治は茶所茶は政所」と唄われ銘茶として名高い政所茶として出荷される。1979年頃は集落で居住しているほとんど家37軒が茶の栽培を行っていたが、現在は4軒のみが行っていてそれ以外で1軒は愛知川の人に茶畑を貸している。

5月末に君ヶ畑の小椋武さんの茶摘みを撮影させて頂いた。茶の葉を摘み取ることを「摘採」と言いその方法は幾つかあるが、大きく分けると手摘みと摘採機を使った機械摘みになる。君ヶ畑は以前は手摘みだったが、武さんは5月29日は親戚から借りている茶畑を手摘みでやり、翌30日は自家の茶畑を機械で摘採した。
手摘みは品質は良くなるが、効率が悪く多くの人手と時間がかかる。茶摘みは女性の仕事で40年前は集落の人達が共同で行ったり、集落以外の人に頼んだりもしていて手摘みで行っていた。小椋武さんの茶摘みも手伝いの人が来ていて、二人は君ヶ畑の人で森林組合の方も一人来て奥さんを含めて4名でやっていた。そしてもう一人お茶の販売をしている大阪の人も少しお手伝いをしていた。武さんと息子さんは摘んだお茶を自宅まで運んでいた。何もお手伝いをしていない私も含めて、昼食は皆さんで武さんの家でカレーライスをご馳走になった。

翌日の摘採機を使った機械摘みは、集落以外に住んでいる息子さん二人と娘さんそしてお孫さん二人も手伝って奥さんを含めて合計7名でやっていた。奥さんや婿さん娘さんは40年前にも撮影をしていた事が後で分かったので、機会があれば撮影をお願いしようと思っている。

茶畑の比較
茶畑の比較
茶摘みの比較
茶摘みの比較

1978年頃の茶栽培の記録

2021年の茶摘み

大皇器地祖神社の春季大祭

小椋谷の君ヶ畑にある大皇器地祖神社の春季大祭は、昨年コロナウィルスの影響で中止となったが、今年は全員マスク着用で4月25日に執り行われた。
この日は本職の神主が杠葉尾から来て執り行うが、集落には氏子の長男が輪番制でやる社守がいて普段は神主の代わりに行事を行っている。大祭にも社守は白装束姿で参加している。しかし今年度で全ての氏子が社守をやってしまい来年度からはこれまで通りにはできなくなったので、大祭が終わった後に大皇器地祖神社の舞殿でくじ引きを行い新しい社守を決めた。

少し前から自粛していた君ヶ畑の取材を再開している。コロナの影響でマスク姿が多くなるけれど、それもこの時代の記録になるのではないかと思っている。しかし4月25日からは各地に緊急事態宣言が出される状態になってしまい、今後の状況次第ではまた自粛する事になるかも知れないと思っている。