Google Earthの著作権表示について

Google Earthの画像を200部の印刷物(野外活動研究会の会報「フィールドから : 観察の友」)に使おうと思い、画像の著作権について調べてみた。Googleの著作権については『ガイドライン「Google マップ、Google Earth、ストリート ビュー」』に説明があり、Google翻訳による日本語訳はこちらになる。少し長くなるが、まずガイドラインの該当する所をGoogle翻訳で日本語訳したものを引用する。

・・・・引用始まり・・・・・

グーグルアース
Google Earth または Earth Studio は、研究、教育、映画、非営利目的などの目的で、許可を必要とせずに使用できます。
Google Earth または Earth Studio から作成されたすべてのコンテンツは、常に適切に帰属する必要があります。
Google Earth のコンテンツは、商業目的または宣伝目的で使用することはできません。
印刷する
Google Earth のコンテンツは、非営利目的または個人的な目的で印刷することができますが、以下に示す制限があります。コンテンツを含む印刷物を配布するすべての用途において、まず上記の一般的なガイドライン、特にフェアユースと帰属について必ずお読みください。

これらのガイドラインに従っている限り、リクエストを送信する必要はありません。これらの規則に例外を認めることができないことに注意してください。
頑張れ(注1)
・教科書を含む本の中身(5,000部まで)
・定期刊行物(新聞、雑誌、雑誌など)
・会社報告書、提案書、プレゼンテーションなどのビジネス文書。
これをしないでください
・本の中(5,000部以上)、または本のカバーアートとして
・印刷されたナビゲーション資料 (ツアー ブックやガイド ブックなど) の中核部分として使用されます。
・消費財および小売商品またはパッケージ (T シャツ、ビーチ タオル、シャワー カーテン、マグカップ、ポスター、文房具など)
・あらゆる種類の印刷広告または販促物 (チラシ、パンフレット、雑誌広告など) での使用。

必要な帰属
Google マップ、Google Earth、およびストリート ビューのコンテンツを使用する場合はすべて、Googleへの帰属、および該当する場合はデータ プロバイダーへの帰属を示す必要があります。

いかなる状況においても、適切な帰属なしにコンテンツを使用することは認めず、コンテンツが表示される間は帰属を要求します。例外の要求には、回答も付与もされません。

帰属は、「Map data ©2019 Google」などの著作権表示とともに、当社のマッピング サービスのコンテンツの下部に表示される行で確認できます。帰属の正確なテキストは、地域やコンテンツ タイプに基づいて変化することに注意してください。

仕事で Google マップ、Google Earth、またはストリート ビューのコンテンツを使用する場合は、次のガイドラインに従って、Google および関連するサードパーティ データ プロバイダーのクレジットを適切に表示してください。

提供されたツールを使用する
ウェブの埋め込み、API 、 Google Earth プロやEarth Studioからのエクスポートなど、Google が提供するツールを使用すると、特定の種類の画像に帰属情報が自動的に表示されます。可能な限りこれらの方法を使用してください。

帰属表示を変更しないでください
帰属情報を削除したり、隠したり、切り抜いたりしないでください。Google ロゴはインラインで使用できないことに注意してください (たとえば、「[Google ロゴ] のこれらの地図」)。

帰属を近くに保つ
直接埋め込み以外で画像のスクリーンショットを使用する場合は、画像に表示される標準の帰属を含めてください。必要に応じて、テキストがコンテンツのすぐ近くにあり、平均的な視聴者または読者が判読できる限り、帰属テキストのスタイルと配置をカスタマイズできます。

帰属を分離しないでください
本の末尾、映画や番組のクレジット、ウェブサイトのフッターなど、コンテンツから離れた場所に帰属を移動することはできません。
サードパーティのデータ プロバイダーを含める
Google のマッピング サービスのデータと画像の一部は、Google 以外のプロバイダから提供されています。このような画像を使用する場合は、帰属のテキストに「Google」という名前と、「地図データ: Google、Maxar Technologies」などの関連するデータ プロバイダーを記載する必要があります。

私たちにすべての信用を与えないでください
画像にサードパーティのデータ プロバイダーが引用されている場合、「Google」または Google のロゴのみを含めることは適切な帰属ではありません。

(注1)原文は「GO FOR IT」でGoogle翻訳は頑張れだが、利用可能(そのままどうぞ)の意味だと思われる。

・・・・引用終わり・・・・・

今回の使用については5000部以下の印刷で印刷広告または販促物ではないので、帰属表示を正しく行っていれば自由に使える。問題は帰属表示を正しく行う事にあるのだが、その点で色々と問題にぶつかった。

まずこちらの使用環境についてだが、OSはWindows10でソフトはGoogle Earth Proを使った。そして画像はGoogle Earth Proのツールバーにある編集の画像をコピーから取り込んだものを使用している。

画像の表示について「Google Earth」は常に表示されるので、それ以外についてどのような表示があるのか以下に列記する。表示は一つの時もあれば最大で四つの組合わせの場合まであるが、何も表示されない時もある。画像によって関係するサードパーティのデータ プロバイダーが変わる事があるので、組み合わせは変わる事は納得できるが、良く似た画像でも表示が変わる事があるのは理由が不明である。

・©2022 Google
・Image IBCAO
・Image Landsat/Copernicus
・Data LDEO-Columbia,NSF NOAA
・Data SIO, NOAA, U. S. Navy, NGA, GEBCO Data
・Date Japan Hydrographic Association

表示された略称などについて調べてみたのが以下である。
・IBCAO 北極海の国際海底地形図
International Bathymetry Chart for Arctic Ocean
・LDEO ラモント・ドハティ地球観測所
Lamont-Doherty Earth Observatory
・NSF アメリカ国立科学財団
National Science Foundation
・NOAA アメリカ海洋大気庁
National Oceanic and Atmospheric Administration
・SIO スクリップス海洋研究所
Scripps Institution of Oceanography
・U. S. Navy アメリカ海軍
United States Navy
・NGA アメリカ国家地理空間情報局
National Geospatial-Intelligence Agency
・GEBCO 大洋水深総図
General Bathymetric Chart of the Oceans
・Japan Hydrographic Association 日本水路協会

それでは実際の画像で見てみようと思うが、画像に加工は行っていない。まずGoogle Earth Proを立ち上げ彦根市を指定して拡大していく途中の表示を見てみよう。画像の下に記載しているのは画面にある著作権表示の内容であるが、拡大される途中で変わっているのが分かる。それぞれの画像はクリックすると拡大できる。

Data SIO, NOAA, U. S. Navy, NGA, GEBCO
Image Landsat/Copernicus
Image IBCAO
Data SIO, NOAA, U. S. Navy, NGA, GEBCO
Image Landsat/Copernicus
Data LDEO-Columbia,NSF,NOAA
Data SIO, NOAA, U. S. Navy, NGA, GEBCO
Image Landsat/Copernicus
Data LDEO-Columbia,NSF,NOAA
Date Japan Hydrographic Association
Data SIO, NOAA, U. S. Navy, NGA, GEBCO
Image Landsat/Copernicus
Date Japan Hydrographic Association
Data SIO, NOAA, U. S. Navy, NGA, GEBCO
Image Landsat/Copernicus
©2022 Google
Date Japan Hydrographic Association
Data SIO, NOAA, U. S. Navy, NGA, GEBCO
Image Landsat/Copernicus
©2022 Google
Image Landsat/Copernicus
©2022 Google
©2022 Google

最後の画像は「©2022 Google」のみで、この後はそれも無くなり「Google Earth」の表示だけになったが、それは載せていない。通常は「©2022 Google」のみ表示さる時や、何も表示されない事も多い。
また表示が無い状態でも更に拡大して地上レベルのビュー表示にすると、著作権表示が出るようになる。以下は2点とも地上レベルのビューで著作権表示が出た画像だが、その表示内容は異なっている。この後に通常の表示状態に戻すと著作権表示が出ている事が多いが、安定して出る訳ではない。

©2022 Google
Image Landsat/Copernicus
Data SIO, NOAA, U. S. Navy, NGA, GEBCO
Image Landsat/Copernicus
©2022 Google
Data SIO, NOAA, U. S. Navy, NGA, GEBCO
Date Japan Hydrographic Association

「地上レベルのビュー」表示からさらに進むと「ストリートビュー」表示になる。その画像は以下であるが、著作権表示は「©2022 Google」のみになる。それから通常の表示に戻すと、「©2022 Google」のみが表示された状態になる。

©2022 Google

表示内容はその時々で変わる事が多く、以下は表示画像が同じような時の著作権表示の色々な例である。

Image Landsat/Copernicus
Date Japan Hydrographic Association
Data SIO, NOAA, U. S. Navy, NGA, GEBCO
©2022 Google
Date Japan Hydrographic Association
Data SIO, NOAA, U. S. Navy, NGA, GEBCO
©2022 Google
Image Landsat/Copernicus
Data SIO, NOAA, U. S. Navy, NGA, GEBCO
Image Landsat/Copernicus
©2022 Google

このように著作権表示は様々だが、もしGoogleに問い合わせても個別の問題については回答しないと思われるので、保存した画像がGoogleのガイドラインに合っているのかどうか判断が難しい。最低限「©2022 Google」が入っている画像であれば良いような気もするが、それが無い時もある。
ガイドラインにあるサンプル画像では「Googleへの帰属、および該当する場合はデータ プロバイダーへの帰属」が記載または画像に含まれているので、厳密には画面にそれらが表示されるよう試みる必要があるのではないかと思う。ただしこちらでは著作権がどのように設定されているかは分からないので、表示が正しいかどうかは判断できない。Googleへの希望としては、どの画面でも安定して全ての正しい著作権表示が出るようにしてほしいと思う。

もしかしたら今回掲載の画像は著作権表示に不備のある可能性もあるが、検証するために掲載する事にした。もし問題があるようであれば、指摘して頂けるとありがたい。

最後にGoogle Earthの画像を掲載した野外活動研究会の会報「フィールドから : 観察の友」原稿を載せておくことにする。初めの原稿ではこちらで通常に取得したGoogle Earthのみが表示されている画像だったが、編集担当者から指摘されて帰属が多く表示されている画像に変更した。そして印刷した写真では著作権表示が読み取れないので、写真の下に著作権情報をテキストで記載した。これでガイドライン通りになっているので、多分問題は無いと思う。

野外活動研究会の会報原稿

木地師文化フォーラム-2022

滋賀県東近江市は木地師のふるさとして全国に発信する事業を行っていて、2022年7月18日に愛東コミュニティセンターで「木地師文化フォーラム」が開かれた。フォーラムは今回が4回目で3年ぶりの開催となる。また9月18日に東京上野で市主催の「木地師シンポジウム」が開かれる。
市公式Facebook「木地師のふるさと 東近江市」の告知で「このフォーラムは、ろくろを用いて椀や盆などの木地を作る職人である木地師が育んだ木の温もりの文化、漆工芸の文化への理解をより一層深め、全国各地とのネットワークを深めることを目指しています。」とあり、取材している木地師のふるさと君ヶ畑との関係もあるので参加してみた。

【プログラム】
第一部 講話
「木地師文化を育んだ東近江の森林」
森林総合研究所 山下 直子
アジア猛禽類ネットワーク 山﨑 亨

お二人で重複する部分もあったが「木地師文化を育んだ東近江の森林」をテーマに、山下さんは主に森林について、山﨑さんは植物と動物について、それぞれの視点から東近江の木地師発祥の地である鈴鹿山系にある小椋谷やその周辺についての講話だった。
木地師のふるさとである鈴鹿の森は東日本と西日本、日本海側気候と太平洋側気候が接する地域にあり、東近江市は鈴鹿の山々から琵琶湖まで続く豊かな自然がある。鈴鹿の奥山の冷温帯域に出現する落葉広葉樹林や、多種多様な植物や野生動物などが木地師の営みを支えた事など短い時間ではあったが資料を使い分かりやすく解説されてた。

第二部 講演
「漆に魅せられて」
漆作家/木地師 スザーン・ロス

石川県輪島市で漆作家・木地師として活動するスザーン・ロスさんは、イギリスのロンドン出身で若い頃に漆に魅せられて、漆の技術を身につけようと来日した。その後輪島で漆の勉強をして、現在は作家として活動しながら漆の魅力を海外などにも発信している。
講演では漆に魅せられて来日した後の技術を習得するまでの苦労話、輪島では川沿いの古い民家を自分たちで修繕したり改造して住んでいる事、その家での自然に囲まれた生活ぶりなどを聞くことが出来た。
そして縄文時代から続く漆の歴史や、漆の生産から輪島塗の制作工程などについても詳しく説明されていた。また国内での漆の生産が現在危機的な状況にある事や、漆や漆製品について今後の提案などもあり、熱くて中身の濃い内容の講演だった。

第三部 対談
漆作家/木地師 スザーン・ロス
木地師 北野 宏和
コーディネーター 筒井 正(東近江市参与)

「木地師文化と漆工芸の現在と展望」というテーマでスザーン・ロスさんと蛭谷で木地師の仕事をしている北野さんの対談があった。コーディネーターは小椋谷の永源寺町茨川出身で東近江市参与の筒井さん。
木地師や漆の仕事は、プラスチック製品が大量に出回る現在は継続が難しい職種であり今後については多くの困難がある。スザーン・ロスさんは漆製品や木製品を使うと生活の質が豊かになる事を説明し、漆が絶えないように応援するには「皆さん漆製品を買って使って下さい!」と会場に人達に呼びかけていた。
北野さんは木地師の仕事を若い人たちが始めたり、生活を続けられるような環境作りをしていきたいと抱負を語っていた。