君ヶ畑の秋とお祓い

君ヶ畑の秋

昨年は11月19日に行って紅葉が見ごろだったので、今年は他の用事もあり11月20日に君ヶ畑を訪ねてみた。車で行く道中は紅葉がきれいでなくて少し不安だったが、着いてみるとやはり一部の木は紅葉が見られたけれど今年はあまり良くないようだ。この日は小春日和でとても暖かく、今年は冷え込みが遅れているせいなのかも知れない。

君ヶ畑の秋-1

君ヶ畑の秋-2 君ヶ畑の秋-3

着いてから山仕事の撮影をお願いしている小椋㐂久雄さんの家を訪ねた。話をしていると庭にある松の古木を今月末に伐採するそうで、これからお祓いをしてもらうとの事だった。偶然の巡り合わせだったが、撮影のお願いをして快くお受けいただいた。

その松は三代前のご先祖様が植えたもので、樹齢は多分100年は超えているらしい。幹回りはおよそ2メートル位はあり、高さは2階建ての住宅よりもはるかに高く10メートルはありそうな立派に松の木だ。剪定などは行っているが、幹が屋根に当たりそうになっているので伐採する事にしたそうだ。

お祓いは金龍寺の住職が執り行った。曹洞宗ではそのようなお祓いや除霊などもやるそうで、読経とともに幹の周りにお酒や塩などを撒いていた。㐂久雄さんが焼香してお参りしたが、私も促されて続いてお参りさせてもらった。その後に庭に祀っていた五輪塔の一部を今度お寺に預けるためにお祓いをしてもらった。それは横を流れる沢に大雨の時に上流から流れ着いたのを拾い上げ大切にお祀りしていたものだった。

住職から五輪塔の説明を伺ったが、流れて来たのは比較的丸い水輪、風輪、空輪で四角い地輪、火輪は無いとの事。丸い物は流れやすいからだろうが、水輪は置き方が上下反対だったらしい。㐂久雄さんは信心深い事もあるが、ここでは昔からの風習などを大切に生活しているのだと思う。

君ヶ畑 「木地師のふるさと交流館」

木地師のふるさと交流館

10月23日に君ヶ畑で「木地師のふるさと交流館」の開館式が、開設に携わった関係者などを招いて行われた。私も資料用の写真を提供したので招待客の1人として参加したが、同時に記録の写真を撮影させてもらった。

この施設は君ヶ畑の「木地師のふるさと高松会」が、公益財団法人「東近江三方よし基金」が募集した【休眠預金】新型コロナウイルス対応緊急支援助成(東近江・ポストコロナ対策助成事業)に応募し採択され、その事業として進められた。
東近江三方よし基金のホームページにその内定理由などが掲載されているので転記する。

事業名:木地師のふるさと新型コロナウィルス対策
団体名:木地師のふるさと高松会
事業内容:地域がこれまで守ってきた木地師関連資料の「常設展示」でき、地域を未来へ継承するための交流・関係人口を獲得するための拠点を整備して、交流事業を展開する。
助成金:9000,000円
理由:限界集落の住民自らが、ポストコロナを見据え地域資源を活用して、交流、関係、移住の取組は、評価でき採択とする。

この助成金で長く使用されていなかった2階建ての民家を借り受けて、1階部分を改装して木地師に関する資料や君ヶ畑を紹介するパネルなどを展示し、人々が交流するスペースなども作られた。主な展示品は木地屋氏子狩帳(複製)、惟喬親王御縁起(複製)、能面、手引き轆轤や木工轆轤カンナ、木工品の万年筆やその製作道具類、木地師関係の木版や木札、かって盛んであった林業やお茶の生産に関係する資料などがある。能面は普段本物ではなく私が撮影した写真を代わりに展示している。また君ヶ畑の産業などを説明した展示パネルのモノクロ写真は、私が提供した約40年前の君ヶ畑の写真を使用している。

木地師のふるさと交流館の入場料は中学生以上500円、開館は原則日曜日のみ10時~15時だが12月から3月は雪深い地なので休館となる。ただし休館中も事前の問い合わせで開館してもらえる場合もあるとの事、連絡先は「木地師のふるさと髙松会」事務局代表の瀬戸洋海さん(電話 090-9991-0130)まで。


開館日に外観を撮影できなかったので、紅葉の頃でもあり11月20日に再度訪ねたが、その日は休館日で雨戸が閉まっていた。開館式の写真を渡すために事務局代表の瀬戸洋海さんを訪ね外観を撮影に来たが休館だったと伝えると、開けてあげるよと連れて行ってくれた。
撮影していると普段は住んでいないが、法事で来ていたお隣りの人達も見学に来た。内部も開館日と少し変わった部分があったので少しだけ撮影した。 新たに説明用のモニターが設置されていて、その台になっていたのは交流館がまだ準備中に見せてもらったこの家の2階にあった古い家具調ラジオだった。