写真集「小椋谷の人びとを」を編集した時に、撮影したけれど掲載しなかった写真が多くある。その中でも瀬戸さんの母娘二人が仲良くお風呂に入っている写真は記憶に残るものだった。それは掲載のお願いはしたが、当時の判断で見送ったものだった。今回のホームページを開設した時も以前許可が無かったので掲載していなかった。
瀬戸さんご一家は約41年前に撮影に行った時に大変お世話になり、一番多く訪ねた。撮影する機会も多く、元旦の食事風景やおじいさんの入浴風景など写真集には多く登場する。当時のご家族はご夫婦と3人の娘さん、そしておじいさんの6人暮らしで、お盆に全員で家族写真も撮影していた。現在君ヶ畑には住んでおられないが、2月に雪の写真を撮影に行った時に偶然ご主人だけにはお会いする事ができた。今回はお彼岸のお墓参りに奥様と写真に写っている一番下の娘さんも帰って来られていた。
墓地でのお参りが終わった後にお家を訪ねたが、娘さんはお風呂で写真を撮影した事をはっきりと覚えておられた。写真の公開についてお願いすると、お母さまも一緒に快く承諾して頂けた。そして全員揃ってはいないけれど、以前お盆の時と同じ場所で家族写真を撮影した。
2020年春のお彼岸 小椋谷君ヶ畑
3月20日春のお彼岸、小椋谷の君ヶ畑へ出かけた。1978年(昭和53年)8月13日君ヶ畑でお盆に一斉のお墓参り風景を撮影した。集落の多くの人たちが一斉に集まり、当時は金龍寺の住職が健在でそれぞれのお墓を回り読経していた。その住職は撮影の数年後に亡くなり、その後は他からお坊さんが来るようになったと聞いている。現在はお盆の一斉のお参りは無くなり、お彼岸に行われていると聞いたので以前と同じ風景を撮影するために行った。
今はいつもいる住人がその時の三分の一位になっているので、当時ほど人は多くないと予想していた。しかし予想に反して大変多くの人が集まった。普段住んでいない人たちが多く帰ってきていて、小さな子供も多くいた。午前中から掃除やお参りに来る人もいたが、ほとんどは12時40分頃から次々と集まりだした。12時50分過ぎに役をしている二人がお水とお香を持ち先導し、お坊さんが続いて読経が始まり1時には全ての墓を回って終わった。それと同時にあっという間に人びとは墓地を後にし静けさが戻った。
分かり難い所もあるが写真に写っている人を数えてみると、ほぼ同じ範囲で今年は58名で1978年は116名いる。多いとは思ったがやはり以前の半分になっていた。
[[カメラ:EOS 5D Mark III]
[レンズ:CANON EF17-40mm F4L]