君ヶ畑 文化財の虫干し

君ヶ畑の虫干し

木地師のふるさと小椋谷には、木地師に関する貴重な資料が数多く残されている。君ヶ畑と蛭谷には木地師を氏子として管理した貴重な記録である「氏子駈帳・氏子狩帳」があり、関連する資料と共に滋賀県指定有形民俗文化財となっている。

君ヶ畑の大皇器地祖神社所有の物は、滋賀県の資料によると君ケ畑木地屋氏子狩帳が53簿冊 、その他木地屋の関連資料で金龍寺所有の惟喬親王御縁起などが28点ある。
また蛭谷の筒井神社所有の物は、同じく滋賀県の資料によると蛭谷木地屋氏子狩帳が35簿冊、その他木地屋の関連資料で朱雀天皇綸旨などが67点ある。なお蛭谷では氏子駈帳なのだが滋賀県の告示では木地屋氏子狩帳と記載されている。

木地師に関する上記の資料以外にも君ヶ畑には室町末期から江戸中期にかけての貴重な文化財である能面6点などが残っている。それらは君ヶ畑の住民が管理しており、年に一度虫干しを行っている。その際に一般に公開した事もあるが、今年は非公開で10月10日に行われた。

少し前に君ヶ畑の自治会から虫干しの時に展示用に能面の写真を撮影してほしいとの依頼を受けていた。それは10月末に新しく「木地師のふるさと交流館」と言う木地師の資料などを集めた施設に展示するためで、私が約40年前に撮影した写真も展示用資料として提供した。
交流館では実物の能面は常設展示ではなくて、撮影した写真を代わりに展示するとの事だった。写真は掲載順に以下の説明が付いていた。

1 能面(翁・白色尉) 室町時代末期の作
2 能面(三番叟・黒色尉) 室町時代末期の作
3 能面(父尉) 室町時代末期の作
4 能面(延命冠者) 室町時代末期の作
5 能面(翁・白色尉) 江戸時代中期の作
6 能面(三番叟) 江戸時代中期の作

当日は生憎の雨模様で虫干しには適さない天気ではあったが、予定通りに行われた。能面の撮影の後に虫干しの様子などを撮影させてもらったが、天気が良くないので終了予定の時間を待たず午後2時頃には全ての片付けが終わった。

君ヶ畑 親子岩魚つかみ取り

岩魚つかみ取り

「木地師のふるさと髙松会」が主催して親子岩魚つかみ取りが、7月18日午前10時から滋賀県東近江市君ヶ畑の御池川にて行われた。参加したのは29名で、一番遠くは大津からの参加者もいた。御池川の一部をせき止めて、君ヶ畑で養殖した岩魚を全部で150匹放流し子供たちがつかみ取りを楽しんだ。捕まえた岩魚は髙松会の人達が炭火で塩焼きにし、参加した親子で食べてお土産にカブト虫をもらい昼頃には解散した。

髙松会は地元の有志により2015年から色々な活動をしていて、これまでに君ヶ畑に残る能面や氏子狩帳などの文化財の公開、天狗堂登山ツアー、岩魚のつかみ取り、山の間伐材で作る!まな板づくり!などのイベントを開催してきている。また木地師のふるさとガイドツアーも行っていて、会長は辻光嘉さん、事務局長を瀬戸洋海さんがやっている。