25日まで『[漂着]川崎美智代・鈴木隆 二人展』が、滋賀県東近江市五個荘川並町にある築200年の元商家を改装したギャラリー&カフェ「genzai」で開かれている。
川崎美智代さんから展示風景の記録を頼まれたので、19日に行ってきた。玄関を入って正面の土間がギャラリーになっている。土間には大きなタイル張りのかまどがあり、その上に板を載せて展示台にしていた。焚口が3つあるかまどと大釜用のかまどがある立派なもので、その奥の壁には川崎さんの荒神山の絵が飾られている。
荒神山は彦根市の中西部にあり、三宝大荒神が祀られた事からその名が付いたとの事で頂上には荒神山神社がある。荒神は火やかまどの神で、昔の我が家でもかまどには荒神さんのお札が貼ってあったのを覚えている。荒神山の絵が最もふさわしい場所に落ち着いている感じであった。
川崎さんは琵琶湖と荒神山をテーマにした絵が多く展示してあり、青や緑の微妙で深い色合いが印象的で、どこか不安げな雰囲気を纏っているようにも感じる。今回の二人展は鈴木さんのオブジェとすごく馴染んでいて、二人の作品に囲まれているとそこには静謐な時間が流れているような印象だった。
左手に上がった部屋もギャラリーで、奥はサロンになっていてコーヒーなどを楽しむことができ、作家の器やファブリックなどが飾ってあり販売もしている。撮影の後にたまたま居合わせた堀尾貞治さんとゆかりのある同年代の人達と、コーヒーを飲みながら懐かしい会話を交わして楽しい時間を過ごした。名残惜しかったが、夕方になりギャラリーを後にした。