彦根市の茅葺きとトタンを被せた屋根

茅葺きは萱葺きとも書き、一般的にはススキやチガヤなどを材料にして屋根を葺いた家屋の事を言う。身近な草で屋根を葺いたものを総称では草葺きと言う事になると思うが、藁葺きを総称のように使う場合もある。ススキやチガヤなどを使う場合は茅葺き、稲ワラや麦ワラなどを使う場合は藁葺きと用いる材料によって呼び方を区別する場合もある。私自身は子供の頃は藁葺きと言っていたように思う。茅葺きと言えば世界文化遺産の白川郷の合掌造りは有名だが、以前は少し田舎に行けばよく見かけたけれど最近は少なくなってきた。建物が残っている場合でも、古くなった茅葺き屋根にトタンなどの金属を被せた屋根が多くなっている。トタンは建築資材として使われている亜鉛めっき鋼板の事だが、被せている金属の種類は正確には分からないので、ここでは一般的なトタンと記載することにする。
現在取材している小椋谷の君ヶ畑では、1979年10月には民家55戸のうち入母屋茅葺きは15戸、入母屋茅葺きにトタンを被せた屋根は17戸(1980年1月発行 野外活動研究会「フィールドへ No.6 君ヶ畑」より)だったが、現在は茅葺き屋根の家は無くなりトタンを被せた屋根のみになってしまった。
現在私は彦根市に住んでいるが、自宅の近辺でも茅葺きにトタンを被せた屋根を見かける事がある。それはやがて無くなっていくと思うので記録しようと思い撮影を始めた。茅葺き屋根にトタンを被せた屋根について調べると、一般社団法人日本金属屋根協会のホームページに「茅葺き屋根の缶詰は タイムカプセル?(ルーフネット 森田喜晴)」という記事があり、 「茅葺きファンから見れば茅葺き屋根が金属葺きに変わるのは嬉しいことではありません。それを「缶詰(カンヅメ)」と呼び評価しません。一方で「缶詰屋根は茅葺きという文化を伝えて行く上でとても大切」という茅葺き職人がいます。」と書かれていて、金属の板で被せた屋根を缶詰屋根と呼んで、それについての興味深い考察が掲載されている。
撮影を始めると、近くにまだ茅葺きの家もあった。今後は彦根市の茅葺きと茅葺きをトタンなどの金属で被せた缶詰屋根を観察、記録していこうと思っている。

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