中山道 鳥居本宿

鳥居本宿-赤玉神教丸

佐和山城跡から下りてきて8号線から脇街道である彦根道(朝鮮人街道)を少しだけ通り、ほどなく鳥居本宿に着いた。朝鮮人街道、北国街道の分岐点でもある鳥居本宿は、江戸から数えて中山道の63番目の宿場になる。当時の雰囲気が残る建物も幾つか残っていて案内板などもあるが、特に観光地として賑わっている訳でもなく人通りはほとんど無い。

 鳥居本宿は中山道時代から赤い丸薬の神教丸、柿の渋で和紙を防水して作った赤い雨合羽と赤いスイカの三赤といわれる名産品があり、地元の中学生が考案したキャラクターは赤玉レッド、合羽レッド、すいかレッドの「さんあかレンジャー」。合羽とスイカは現在無くなったが、万治元年(1658年)創業有川製薬の胃腸薬「赤玉神教丸」は今も残っていて、中山道沿いにある有川薬局で販売している。
鳥居本宿の本陣跡にはウィリアム・メレル・ヴォーリズの手懸けた建物がある。ヴォーリズは建築家でありながら、ヴォーリズ合名会社(のちの近江兄弟社)の創立者の一人であり、近江兄弟社はメンソレータムを広く日本に普及させた。近江兄弟社は後に経営難になりメンソレータムの販売権を失い、自社のオリジナル製品メンタームを販売している。

その他見学したのは以下の所。
・中山道道標 「右彦根道、左中山道京いせ」と刻まれている。文政10年(1827年)に建てられた。
・専宗寺 太鼓門の天井に佐和山城の門の扉が使われていたが、今年太鼓門は撤去され扉は山門の所に立てかけてあった。
・自然斎の住居跡(旧鳥集会所) 元は旅籠「米屋」で湖東焼の絵付師として知られた人物。
・本陣跡 本陣で使われた門扉が倉庫の扉として残っている。
・合羽屋 看板が残っている。
・上品寺 「法界坊の鐘」をつるした鐘楼がある。
・近江鉄道鳥居本駅 昭和6年(1931年)開業、駅舎は開業時からのもの。