髙松御所 文化財公開と講演

髙松御所文化財公開

10月23日に東近江市君ヶ畑町の髙松御所金龍寺にて、君ヶ畑町自治会と木地師のふるさと髙松会の主催で滋賀県指定文化財公開と「木地師のふるさと交流館」一周年記念講演が行われた。

記念講演は、近江の文学研究家いかいゆり子氏が『近江のかくれ里』ー白州正子の世界を旅する 木地師の村ーというタイトルで髙松御所金龍寺境内にて行われ、参加者は30名ほどであった。

文化財公開は君ヶ畑の自治会が保護管理している文化財を年一度の虫干しに合わせて公開する行事で、コロナウィルスの影響などで3年ぶりの開催となった。昨年の虫干しの様子は「君ヶ畑 文化財の虫干し」として記録しているが、その日は生憎の雨模様だったので早めに終了し仏涅槃図など出されていない物もあった。
今回は天気にも恵まれたので昨年よりも多くの文化財が出されていた。滋賀県が指定した有形民俗文化財である木地屋氏子狩帳や、今年新たに東近江市指定有形文化財に指定された江戸時代後期の能衣装とされる淡茶地草花文様錦狩衣や、昨年撮影した室町後期~江戸中期の能面6面も展示されていた。

君ヶ畑 「木地師のふるさと交流館」

木地師のふるさと交流館

10月23日に君ヶ畑で「木地師のふるさと交流館」の開館式が、開設に携わった関係者などを招いて行われた。私も資料用の写真を提供したので招待客の1人として参加したが、同時に記録の写真を撮影させてもらった。

この施設は君ヶ畑の「木地師のふるさと高松会」が、公益財団法人「東近江三方よし基金」が募集した【休眠預金】新型コロナウイルス対応緊急支援助成(東近江・ポストコロナ対策助成事業)に応募し採択され、その事業として進められた。
東近江三方よし基金のホームページにその内定理由などが掲載されているので転記する。

事業名:木地師のふるさと新型コロナウィルス対策
団体名:木地師のふるさと高松会
事業内容:地域がこれまで守ってきた木地師関連資料の「常設展示」でき、地域を未来へ継承するための交流・関係人口を獲得するための拠点を整備して、交流事業を展開する。
助成金:9000,000円
理由:限界集落の住民自らが、ポストコロナを見据え地域資源を活用して、交流、関係、移住の取組は、評価でき採択とする。

この助成金で長く使用されていなかった2階建ての民家を借り受けて、1階部分を改装して木地師に関する資料や君ヶ畑を紹介するパネルなどを展示し、人々が交流するスペースなども作られた。主な展示品は木地屋氏子狩帳(複製)、惟喬親王御縁起(複製)、能面、手引き轆轤や木工轆轤カンナ、木工品の万年筆やその製作道具類、木地師関係の木版や木札、かって盛んであった林業やお茶の生産に関係する資料などがある。能面は普段本物ではなく私が撮影した写真を代わりに展示している。また君ヶ畑の産業などを説明した展示パネルのモノクロ写真は、私が提供した約40年前の君ヶ畑の写真を使用している。

木地師のふるさと交流館の入場料は中学生以上500円、開館は原則日曜日のみ10時~15時だが12月から3月は雪深い地なので休館となる。ただし休館中も事前の問い合わせで開館してもらえる場合もあるとの事、連絡先は「木地師のふるさと髙松会」事務局代表の瀬戸洋海さん(電話 090-9991-0130)まで。


開館日に外観を撮影できなかったので、紅葉の頃でもあり11月20日に再度訪ねたが、その日は休館日で雨戸が閉まっていた。開館式の写真を渡すために事務局代表の瀬戸洋海さんを訪ね外観を撮影に来たが休館だったと伝えると、開けてあげるよと連れて行ってくれた。
撮影していると普段は住んでいないが、法事で来ていたお隣りの人達も見学に来た。内部も開館日と少し変わった部分があったので少しだけ撮影した。 新たに説明用のモニターが設置されていて、その台になっていたのは交流館がまだ準備中に見せてもらったこの家の2階にあった古い家具調ラジオだった。