2020年4月 普請 小椋谷君ヶ畑

水仙の咲く君ヶ畑

4月5日は時折強い風の吹く寒い日だったが、君ヶ畑で普請が行われた。集落から滋賀県道34号多賀永源寺線までの道路の側溝を全戸で掃除する。側溝は崩れ落ちた土砂や落ち葉などで所々塞がれていて、そのままだと水が溢れて道路に悪影響がある。普段住んでいない人達も参加して午前8時頃に始まり11時半前には終わったが、新型コロナウイルス感染症対策でマスクを着用する人が多かった。

文芸春秋3月号に、葉上太郎さんの連載「ルポ 地方は消滅しない」の41回「滋賀県東近江市君ヶ畑・蛭谷」に君ヶ畑に関する記事が掲載されている。君ヶ畑と蛭谷の木地師発祥の地としての歴史などの紹介や、常時住む人は少なくなったが実際には住んでいない出身者も自治会員として在籍し、行事などに参加し役員などにもなる事で集落を維持している珍しい自治会として紹介されている。その行事の一つが普請で、全戸が参加して年に3回行われる。君ヶ畑の自治会に加入しているのは26戸あるが、朝の集合時には全部で27名いた。ほぼ全戸の参加と思われるが、1戸から2名来ている家などもあったので確認は取れていない。参加できない場合は、お金を支払う必要があるとの事だった。

普請と聞いて家を建てる事を思い浮かべたが、『ウィキペディア(Wikipedia)』によると普請(ふしん)とは仏教用語で「普く(あまねく)請う(こう)とも読み広く平等に奉仕(資金・労力・資金の提供)を願う事であり、社会基盤を地域住民で作り維持していく事を指し、現在では公共の社会基盤を受益する共同の人々または公共事業により建設(建築と土木を併せ建設という)および修繕、維持する事。」とあり、今回の君ヶ畑の普請はその解説通りの事を実践しているが、正確に言えば溝普請と言う事になるのだろう。自分が入っている自治会での公園や道路の清掃なども普請になるのだが、その様に言う事は無い。

[[カメラ:EOS 5D Mark II・EOS 5D Mark III]
[レンズ:CANON EF17-40mm F4L・CANON EF28-300mm F3.5-5.6L]