雪の奥永源寺

雪の奥永源寺風景

2021年12月26日から滋賀県中北部では数年に一度の大雪となった。彦根市で積雪量が73センチとなり12月の観測記録を更新し、市内の国道8号線は雪で多くの車が立ち往生し全国ニュースとなった。

奥永源寺の君ヶ畑は元々雪の多い所だが、12月末は1日で1メートル位積もったと聞いた。2022年1月3日と9日に雪がまだ残る奥永源寺、君ヶ畑を訪ねた。撮影目的は3日は大皇器地祖神社で御供盛り、9日は金龍寺で大般若会があるからだった。いつも通る多賀町から犬上川ダム経由、または百済寺から角井峠経由は両方とも雪のため通れないので、遠回りになるがいつもは通らない永源寺ダムを経由して出かけた。

集落までの道路や集落内の道は除雪されていたが、まだ両脇に多くの雪が残っていた。神社の本殿や金龍寺の本堂は屋根からの落雪などもあり3日は行く事が出来なかった。そのため3日の御供盛りの祭典は特別に社務所で行われたが、9日には金龍寺は本堂まで雪かきされていたので大般若会は本堂で例年通り行われた。新型コロナ対策で全員マスク着用だった。

君ヶ畑の雪景色-1

君ヶ畑の雪景色-3

君ヶ畑の雪景色-5

君ヶ畑の雪景色-2

大般若会-1

大般若会-2

君ヶ畑の雪景色-4

永源寺ダム湖

御供盛り(ごくもり) マナスエ神事

御供盛りの御神酒運び

滋賀県東近江市君ヶ畑にある木地師の祖神とされる惟喬親王を祀る大皇器地祖神社では、古くから御供盛り(ごくもり)と呼ばれる儀式が1月3日に行われている。今回許可を得てその全てを撮影記録することが出来た。御供盛りとは大皇器地祖神社に供える神饌を調進して、神前に供える儀式でマナスエ神事の事を言う。

早朝の6時前から主に髙松会の人達が、大皇器地祖神社の社務所に集まり用意を始める。御供はうるち米で作るが、6時30分頃から洗ったお米を蒸し始めた。8時15分には蒸し上がり、それをむしろでポイポイと練って御供が出来上がった。9時頃までには御供以外の神饌として使う物や神事の道具などの用意も終わり、それぞれが着物に着替える。やがて神職が到着し、10時頃には参加する人やお手伝いの人たちなど17名ほどが社務所に集まった。

神事の役に付いた人たちは素襖に着替え頭に冠を戴き、氏神主(1年神主)も装束を身に着けて10時30分過ぎから神事が始まった。
神事などの進行については、詳細な様子をYouTubeに【木地師発祥の地に伝わる伝統行事『マナスエ神事』御供盛りの記録】としてアップしているので、そちらを見て頂きたい。神事は途中お昼を挟んで、午後2時前には全て終わった。

参考文献:「-木地屋のふるさと- 君ケ畑の民俗」菅沼晃次郎著
         昭和46年3月20日発行  発行:民俗文化研究会