40年ぶりの小椋谷君ヶ畑

鳥居のある風景40年前と現在

12月8日(日)に小椋谷の君ヶ畑へ行ってきた。およそ40年ぶりの訪問になる。
午前10時30分頃に着いた。君ヶ畑は標高450m位にあるので、麓に比べると肌寒く空気が違う。遠くに見える山はもう雪化粧していた。
集落の中を歩いていると、家の外で片付けをしている人がいたので声をかけ、少し話をして自治会長さんを教えてもらい訪ねた。自治会長さんは普段は君ヶ畑に住んでいなくて週末のみ来ているとの事だが、日曜日だったので在宅されていて庭で通路の整備作業をしていた。庭の周りに柵があるので聞いてみると、近年は鹿や猿が作物を荒らすので柵なしではどうしようもないらしい。

お茶をごちそうになりながら、お墓参りの事や正月の事、その他色々とお話しを伺った。たまたま居合わせた方達にも現在の君ヶ畑の状況などを伺う事ができた。1979年には集落に52戸ありそのうち14戸は空き家で38戸が居住していた。現在住んでいるのは13戸になっているとの事で、およそ三分の一に減っていて空き家の数と居住している家の数が逆転している。空き家が多く、茶畑も一部を残すのみで以前撮影したお茶工場や製材所などはすでに無くなっていて、摘んだお茶は政所まで持って行き加工してもらうとの事だった。

写真集を持参して行ったので、写っている方たちの消息を教えてもらった。当時高齢だった方はすでに亡くなった方が多い。当時60歳の人は健在であれば今は100歳になっているし、60歳以上の方も多く写っているので当然ではある。写真に写っていて健在な方もみえると何人かの名前を挙げて教えてもらった。そのうちの一人当時製材所で働いている所を撮影した小椋昭二さんは、現在君ヶ畑で木地師として工房「ろくろ工房君杢」をやっているとの事だった。今回は今後君ヶ畑を撮影しに伺う事についてのご挨拶とお願いが主な目的だったので、それぞれのお家などを訪ねるのは次回以降にして、その日は集落内の景色などを撮影して夕方には君ヶ畑を後にした。

今回の君ヶ畑の撮影では、40年前に撮影した場所を探して、同じ所で同じように撮影する事を考えている。この日は季節が違うけれど数ヶ所定点撮影してきた。
昔の写真と比較しながら注意深く撮影したつもりだが、少しの撮影位置や角度、レンズの焦点距離やレンズ自体の違いなどで結構ずれてしまっていた。今回は結局フォトショップで修正したが、次回からはもっと細かくチェックし出来るだけ修正が無いように撮影する必要がある事を痛感した。



[カメラ:EOS 5D Mark III]
[レンズ:CANON EF24-70mm F2.8L]

「写真集 小椋谷の人びと」1979年10月刊

「写真集小椋谷の人びと」表紙
「写真集小椋谷の人びと」表紙

「写真集 小椋谷の人びと」は木地師の里として知られる滋賀県の小椋谷、その中で主に現在の東近江市君ヶ畑を1978年4月から1979年6月まで訪れ撮影し、1979年10月に写真集として野外活動研究会から発行した。写真集に掲載していない写真もギャラリーで公開している。

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ギャラリー「小椋谷の君ヶ畑 1978年4-5月」はこちら
ギャラリー「小椋谷の君ヶ畑 1978年8月13-15日」はこちら
ギャラリー「小椋谷の君ヶ畑 1978年10-12月」はこちら
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